「風力発電の仕組みが知りたい」
「再生可能エネルギーの可能性に興味がある」
「洋上風力発電ってどう?」
クリーンエネルギーの重要度が高まり、風力発電のニーズも以前よりアップしています。
太陽光発電と比べると、あまり身近な存在とは感じられない人も多いでしょう。
たしかに一般的な住宅街などでは珍しいですが、世界的な設置数は決して少なくありません。
詳しく知りたいという人は、まず基本的な仕組みをチェックすることから始めると良いです。


【特集】Influx.incの星野敦氏にインタビュー!星野氏の人物像・洋上風力発電構築への意気込みとは?
Influx 洋上風力発電
風を受けて風車が回ることで電気を生み出す
とはいえ、風力発電の仕組み自体は少しも複雑ではありません。
その名のとおり、風を受けて風車が回ることで電気を生み出します。
いわゆる回転エネルギーが源であり、それを電力に変換することが主な流れです。
風が当たる羽根が回り、これらに対してはブレードという表現を用います。
回転によって内部の発電機のパーツも回るのですが、それだけでは十分な変換は困難です。
効率をうまく高めるため、中間ポイントになるギアが役に立ちます。
こちらで回転エネルギーが増幅し、それが発電機に伝わることで電力も大きくなるのです。
基本的にはこのフローが続くだけであり、古い時代に考案されたものと変わっていません。
もちろん技術の発展によって効率は向上していますが、概念自体に大規模な変革はなかったということです。
太陽光発電との比較
そう言われると、太陽光発電のほうが良さそうと思うかもしれません。
太陽個発電のシステムには最新技術が多く採用されています。
ですから鮮度だけでいったら、そちらに軍配が上がるのは間違いないでしょう。
しかし、古くから仕組みが変わっていないという事実は、それだけ確固たる技術が早期に確立したともいえます。
太陽光発電の進歩が目覚ましいのは、それだけ問題点が多く残っていたと解釈が可能です。
フローが複雑であるほど、その過程で失われるエネルギーの量も大きくなってしまいます。
分かりにくければ、USBの延長ケーブルを思い浮かべてください。
信号の伝達に電力が使われますが、あまり長くなるとそれが途中で足りなくなります。
その結果、接続しているプリンタなどとの通信が困難になり、うまく作動させられないケースも多いです。
太陽光発電のシステムも同様であり、途中で失われるエネルギーが増えてしまうリスクは無視できません。
途中に起こる損失を最低限に抑えられる
一方、風力発電の場合は回転エネルギーを電力に変換して蓄えておくだけです。
この単純明快な流れにより、途中に起こる損失を最低限に抑えられるというわけです。
この仕組み自体もメリットですが、それよりも重要な事柄があるのでチェックしておきましょう。
よく比較対象に挙がるのは火力発電ですが、両者の環境に対する立ち位置は正反対です。
火力発電はその名のとおり化石燃料を燃やすことで電気を発生させます。
その際に二酸化炭素などのガスが発生し、自然に大きなダメージを与えてしまいます。
日本だけに注目する場合でも、全人口の電力を火力発電でカバーする場合、膨大な化石燃料を使用することになるでしょう。
それに応じて二酸化炭素の規模も著しく増えてしまいます。
したがって、持続可能な社会を理想とするなら、この方法は適切とはいえないのが実情です。
それどころか誤った手法として最初に候補から除外しなければなりません。
化石燃料には限度がある
化石燃料には限度があることもポイントの一つです。
埋蔵量が無限ではないので、いつか枯渇してしまうことを意識してください。
人間が使う電力に限界はないので、両者の間に矛盾が生じてしまいます。
よって、無尽蔵に発電できる仕組みを構築することが不可欠です。
地球に吹く風がなくなることはありません。
凪のように無風の状態になるケースもありますが、たいていの地域において一過性の現象です。
すなわち、持続可能な社会とともに歩んでいけるシステムといえます。
化石燃料を枯渇させるリスクもないため、他の用途に回すことも考えやすくなります。
現状として風力発電ですべてのエネルギー消費を抑えるのは難しいです。
したがって、火力発電や原子力発電から徐々にシフトさせていく必要があります。
風力発電の問題点
とはいえ、後者をすぐにストップすべきという主張も珍しくありません。
それが理想なのは明白ですが、そうすると現代の文明を維持するのが困難になります。
そういったデメリットを踏まえて導入することが重要です。
風力発電だけに依存すると、風が吹いていないときに困った状況になりかねません。
不安定な発電方法であることを認めたうえで、その問題をフォローする施策が必要というわけです。
無風の状態が続いても電気を使えるようにしないと、生活やビジネスにおいて実用的とは判断できません。
そのような意見を踏まえ、風が吹きやすい山頂などに設置する案もよく出ます。
ところが、その場合は長い送電線や中間施設を設けねばならず、イニシャルコストや運営費が高くなってしまうのです。
まとめ
したがって、そういった費用を抑えるために、適切な設置エリアを探すこともポイントになります。
国土の狭い日本と比べ、広大な国土を持つ諸外国のほうがその点に関しては有利です。